こんにちは、元社員です。
皆さんはカツラを購入しようとする際、どのような基準で選ぼうとしていますか?
- 価格
- 製品の種類
- 自然さ
- 固定方法
多くの方はネットやホームページなどを見て、価格や種類、自然さで選ぶと思います。
逆に「私は固定方法で選びます」
このような人は、ほぼ居ないと思います。
なぜなら、「固定方法」については、公式HPなどでも詳しく紹介されていないのが現状です。
基本的にカツラメーカーは、良い所を全面的にアピールして細かい部分をあまり見せない風潮があります。
ですが、それではカツラを初めて購入しようと思ってる方にとって不親切ですね。
消費者からしたら細かい部分まで知りたいと思います。
そこで今回は元アデランス社員の私が
カツラの固定方法について
細かい部分まで詳しく解説します。
カツラを購入の際、参考にして頂けると幸いです。
カツラの固定方法は主に4種類
カツラの固定方法には、次の種類が挙げられます。
- クリップ式(ピン止め式)
- 接着剤式
- 両面テープ式
- 編み込み式
ここでは、それぞれの特徴について、詳しく説明していきます。
固定方法① クリップ式(ピン止め式)
クリップ式(ピン止め式)の特徴
製品のベース部分にクリップを取り付け、髪の毛に挟んで噛ませることで固定する方法です。
このクリップは「ストッパー」とも呼ばれます。
固定方法のなかでは最も簡単に取り外し作業が出来るものであり、女性向けウィッグでは一番主流の取り付け方法です。
慣れれば簡単に取り外しが出来るタイプではありますが、適した位置にしっかりと取り付けるが出来るようになる為には、多少の練習が必要です。
クリップ式(ピン止め式)のメリット、デメリット
クリップ式(ピン止め式)のメリットデメリットはこんな感じです。
- 取り外しがすぐに出来る
- 破損するまでは使用できるのでコスパが良い
- 取り付けに多少練習が必要
- 激しい動きに弱い
- 「ツルツル」の状態では使用できない
- 金属アレルギーの人は向かない
クリップ式のカツラは激しい運動には不向きです。
取り外しが容易である反面、スポーツなどでクリップが外れやすいのが難点です。
また、クリップはゴム製の素材で金属の本体を覆った作りになっているため、劣化と共に中の金属が露出してしまいます。
そのままの状態でも使用は出来ますが、金属アレルギーをもっている方だと反応が出てしまう可能性があるため、注意した方がいいでしょう。
クリップ式(ピン止め式)の参考動画
クリップ式でもかなり自然に増毛されています。
薄毛の状態にもよりますが、前髪がある人はクリップ式がおすすめですね。
固定方法② 接着剤式
接着剤式の特徴
頭皮とカツラ専用の接着剤を使用し、直接カツラを貼り付ける方法です。
一度取り付けるとかなり強固な接着力になるため、自分で取り外すことは出来ません。
そのため、頭皮を自分で洗うことは出来なくなります。
約2~3週間毎にサロンに来店し、「取り外し→頭皮のシャンプー→取り付け」を行っていく必要のある取り付け方法です。
常時着けっぱなしの状態になるため、カツラの劣化は早いです。(約4ヶ月くらい)
接着剤式のメリット、デメリット
接着剤式のメリット・デメリットはこんな感じです。
- 接着力が強いのでズレる心配がない
- 仕上がりが自然
- ベースが薄い製品に使える
- 「ツルツル」な状態でも使用可能
- 着けっぱなしになるので頭皮環境に悪影響
- 2~3週間毎のメンテナンスが必要
- 製品の劣化が早い
- 専用のリムーバーを使わないと取り外すことが出来ない
一度取り付けると外れてしまう心配の少ない接着剤式は、装着中にズレてしまう心配がなく、非常に自然な仕上がりにすることが出来ます。
その分、しっかりと地肌をシャンプーすることは難しいため、頭皮環境が悪くなり薄毛が進行してしまう可能性も。
夏場などではカツラの内部がかなり蒸れてしまい、接着剤の成分と洗うことが出来ない頭皮の状態との相互作用によって、頭皮が荒れる事があります。
接着剤式の参考動画
接着式は生え際も自然に見せれる商品が多くなってきています。
接着剤を使うわずらわしさはありますが、最もバレにくい装着方法になります。
固定方法③ 両面テープ式
両面テープ式の特徴
頭皮とカツラ専用の両面テープを使用し、装着する方法です。
両面テープ自体にも種類があり、なかには数回使用できるタイプの物もありますが、一度貼り付けてしまうとどうしても接着力は弱くなります。
そのため、基本的には使い切りのものだと思っておくようにしましょう。
また、汗や皮脂などで接着力が弱まりやすい性質があるため、接着力を強くするために接着剤式と併用しての取り付け方が主に使われる方法となります。
その際はやはり自分で取り外すことは出来なくなるので、2~3週間毎にアデランスサロンに来店し、専用のリムーバーで取り外すことになります。
両面テープ式のメリット・デメリット
- 取り付けが簡単
- 着脱可能
- 仕上がりが自然
- ベースの薄い製品でも使える
- 消耗品であること
- 汗や皮脂が付くと外れやすくなる
- 「ツルツル」な状態でないと使えない
- 装着毎に両面テープの貼り換えが必要
着脱可能であるため頭皮のシャンプーは問題なくすることが出来、装着時の仕上がりも非常に自然です。
ただ、両面テープ自体は一度使用するとどうしても接着力が弱くなる為、繰り返し使用することは出来ません。
そのため、消耗品として常に両面テープを購入していく必要があります。
また、地毛がある部分には両面テープの接着力が弱まってしまうため、「ツルツル」な状態の人にしか使用することの出来ない取り付け方となります。
両面テープ式の参考動画
https://www.youtube.com/watch?v=iQtHJzEtQXw&t=165s&ab_channel=HairDirect
テープ式は自分でもメンテナンスができる事が強みですね。
痒くなったり、シャンプーしたい時は取り外せるのでストレスも少ないです。
固定方法④ 編み込み式
編み込み式の特徴
カツラのベースに地毛を編み込み、特殊な糸で取り付ける方法です。
カツラのベース部分に地毛を編み込み、根本付近からしっかり固定するため、カツラの装着方法としては最もしっかりと取り付けることが出来る方法です。
基本的に一度編み込んだら、自分で取り外しを行うことは出来ません。
↑スヴェンソン式増毛法
そのため、4週間~1ヶ月に一度はサロンに来店してメンテナンスを行う必要があります。
また、既に地毛が細く、弱くなってしまっている人には、編み込みの性質上、地毛や頭皮にダメージを与えやすい取り付け方になります。
ちなみに、アデランススタッフの間では「CA」と呼ばれる取り付け方で、スタッフの技術によって取り付けた後の快適さに最も差が出やすく、スタッフ側に高度な技術が必要な方法でもあります。
編み込み式のメリット・デメリット
- 仕上がりが自然
- 強固な接着力によってズレる心配がない
- 薄いベースでも使用可能
- 自分で取り外すことは出来ない
- 「ツルツル」な状態では使えない
- 直接頭皮にシャンプーが出来ない
- 約1ヶ月毎にメンテナンスが必要
地毛を編み込んだ後に強固に固定するこの取り付け方法は、かなりしっかりと取り付けることが可能なため、ズレる心配はまずありません。
ただし、約1ヶ月毎に着け直しを行わないと地毛が伸びてきてしまい、不安定な状態に。
また、地毛や髪の毛のシャンプーはしっかり出来ないため、頭皮環境が悪くなってしまったり頭皮が荒れたりしてしまう可能性があります。
地毛がある程度ないと編み込む毛がないため、「ツルツル」な人では出来ない取り付け方となります。
編み込み式の参考動画
編み込み式もかなり自然に見えます。しかも固定力が強いので多少の運動ではビクともしません。
約1ヶ月に1回のメンテナンスだけで済むので、非常に楽な装着方法でもあります。
「固定方法」によって取り付け費用は変わるの?
続いて、取り付け費用の説明をします。
- 接着剤式
- 編み込み式
この二つの施術料金はどちらも、
取り外し→製品と地毛のシャンプー→取り付け
の流れで行い約2,000円程度となります。
- クリップ式(ピン止め式)
- 両面テープ式
こちらの二つに関しては、クリップが一つ破損した場合の交換で約1,000円。
両面テープが約30セット入り一箱500円程度となります。
ただし、「アデランスヘアクラブ」などの年会費制のプランで契約を組んでいる場合は、これらの料金がかからないといった例外もあります。
「薄毛のタイプ別」おすすめの固定方法
ここではあなたにピッタリな固定方法を説明します。
私の経験も踏まえた上で、「こんな人にはこの固定方法がおススメ!」と状況別に分けて説明していきます。
ケース①【つむじハゲ】 つむじ付近の薄毛を隠したい
トップのつむじ付近の薄毛だけをカバーしたい、という方であれば、
- クリップ式(ピン止め式)
がおススメです。
小さめのカツラでも十分カバーできる程度の薄毛であれば、着脱が可能で頭皮や地毛に負担をかけづらいクリップ式(ピン止め式)の使用が最適。
しっかりと育毛ケアなどを併用して行い、薄毛の進行を食い止めるように、毎日シャンプーすることも出来る取り付け方法が良いでしょう。
ケース②【O字ハゲ】 頭頂部~前頭部の毛が無い場合
生え際からつむじにかけて広範囲に「ツルツル」な状態な方であれば、
- 接着剤式
- 両面テープ式
のどちらかがおススメです。
常時着けっぱなしがいい人=接着剤式
着脱可能がいい人=両面テープ式
となり、好みによって選択するといいでしょう。(※併用するやり方もあります)
ベースも薄いタイプが使用できるこの二つの取り付け方は、どちらを選んでも装着後の仕上がりが非常に自然になります。
ケース③【うすらハゲ】 うっすら毛が残っている場合
全体的に広範囲に薄く、頭皮が見えやすい状態になっている方であれば、
- 編み込み式
がおススメ。
編み込むことでしっかりと装着することが出来、ズレる心配もありません。
残った自毛も生かせるのでまさに一石二鳥。
「両面テープ式」では接着面が上手くつかず不安定な状態になってしまいますし、「クリップ式(ピン止め式)」では地毛がクリップに負けて脱毛してしまう可能性があります。
残った毛を剃って「接着剤式」でも問題はありませんが、よりしっかりと取り付けることの出来る編み込み式の方が安心感はあるでしょう。
ケース④【番外編】 毎日しっかりシャンプーしたい場合
「着けっぱなし自体に抵抗があるな~…」
という方は、
- クリップ式(ピン止め式)
- 両面テープ式
がおススメ。
地毛がある程度ある=クリップ式(ピン止め式)
「ツルツル」な状態=両面テープ式
と考えて選択するようにしましょう。
どちらも着脱可能なため、常時着けっぱなしにならず頭皮ケアをすることが可能です。
ただし、両面テープ式に関しては夏場の汗をかく時期には外れやすいといった特徴もあるため、時期によって接着剤の使用を併用した方がいいでしょう。
まとめ
装着方法は使用する人の生活スタイルや好み、頭皮の状態によってその方法が変わります。
また、カツラを取り付けた後の仕上がりにも反映するものですから、どの方法を選ぶかは意外と重要な事です。
今回説明した内容を参考に、是非ご自分に合った装着方法を選んで頂ければと思います。